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生活保護申請のターゲットを探す業者も
弁当はなんと、大手弁当屋チェーン『ほっともっと』の「特のりタル弁当」だった。白飯の上に味付けこんぶと海苔が敷かれ、その上には鶏の唐揚げと白身フライとメンチカツがのっている。薄めにスライスされたたくあんと、きんぴらゴボウも添えられている。
率直にいえば、『ほっともっと』の弁当は、いつも炊き出しでもらっている料理と比べると抜群にうまかった。きっと買ってきたばかりなのだろう。揚げ物にはサクサク感が残っていて、ご飯もまだホカホカなのだ。
「毎週やっているわけじゃないけど、ここの炊き出しはいつも『ほっともっと』の弁当だから優しいよな」
そう言って弁当を受け取った人たちが、そのへんの道端に立ちながら食べ始めた。
せっかく温かいのだから、温かいうちに食っておきたいのだ。その気持ちはよくわかる。ただ、『ほっともっと』の弁当を配るワケについては、あまり関心がないようである。
結局、この上野駅入谷口前で行われている炊き出しの目的は、あくまで労働力の確保なのだ。
また、貧困ビジネスを生業としている団体が炊き出しを行うこともある。
