あとは政治集団としての気合いでしょうね。だらけた貴族に改革なんかできない。改革をやるのは飢えた野武士か庶民です。もともと僕が大阪府知事から大阪市長になったのは、大阪都構想を実現して、大阪市長のポジションを消滅させるためでした。自分の身分を守ろうとするその辺の政治家とは真逆の精神です。大改革を実行するなら、議員定数削減のような政策をぶち上げて、それに呼応してくれるようなメンバーで徒党を組まなければなりません。大改革を成し遂げるには、ある種殺気立った熱量が必要なのです。

維新の藤田文武共同代表は「連立離脱」の可能性を語っている ©時事通信社

議員定数削減の先延ばしはありうるか

 加えて、吉村代表には、昨年からずっと焦点になってきた「政治とカネ」の改革をひとまず棚に上げる意図もあるのだと思います。今回の自民・維新の政策協議において、維新が主張する企業・団体献金の原則禁止という「政治とカネ」問題の改革は、自民党が絶対に呑まなかった。でも完全に棚上げしたままだと、「維新はどうなってるんだ」と有権者から厳しく批判されるから、議員定数削減の方に熱量をシフトしたのでしょう。

 維新の藤田文武共同代表、馬場伸幸顧問(前代表)は、「議員定数削減が秋の臨時国会で実行できなかったら、連立離脱だ!」と息巻いていますが、最後は吉村代表の判断に拠るでしょう。

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※本記事の全文(約9300字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年12月号に掲載されています(橋下徹「維新は吉村イズムを貫徹しろ」)。全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・維新が迷走していた根本的な原因
・馬場イズムはなぜダメか
・キーパーソンは遠藤首相補佐

出典元

文藝春秋

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