彼女の親父の第一印象は“失礼な人”
まずは、ウチの両親に彼女を紹介する。4回目のデートは両親と食事をすることにした。
「今日は実家で夕食を」と彼女に言うと、大事なことを事前に知らせる配慮がないと怒られた。なるほど、突然はマズかったかもしれない。それでも彼女は実家へついて来てくれた。
そこには、僕よりも謙虚でもなければ配慮もない人間が待っていた。
彼女の親父の第一印象は“失礼な人”だったそうだ。なにしろ親父は彼女に向かって開口一番、「28歳か、いい歳だな」と言い放った。親父の物言いに慣れている僕は苦笑するが、彼女が驚いたのも無理はない。
40になっても結婚できない自分の息子を棚に上げて、若い女性に向かって何たる暴言。「何なんだ、このおやじ?」と怒るよりも驚いたと妻は言う。今は笑い話で語れるが、嫁と舅のなかなか刺激的な関係の幕開けだった。その光景を何も言わずに薄ら笑いで眺めていた僕は、配慮がないと後でまた彼女に怒られた。
彼女がいきなり石原家の洗礼を受けても動じなかったのは、医療の現場に立ち続ける医師だからなのかもしれない。皮膚科医の彼女は、陰部を恥ずかしそうにボリボリ掻くおじさんや、マムシに噛まれてしょげかえるおじさんや、薬を塗らずに塗ったと嘘をつくおじさんを日々相手にしていた。
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