次に、同世代の20代のエリートからの嫉妬は相当なものだろう。誰にも負けないと思っていた自信家たちにとって、同世代の活躍は刺激になるというだけではない。自分より上がいる劣等感を、断じて受け入れられない人もいる。そうなると全力で足を引っ張ってくる。願わくは引き摺り下ろしたいはずだ。

 そして、少し年上の30代とかの、まだ「若手」と言われる層の経営者からも妬まれるだろう。20代の煌びやかな経営者が出てきてしまったら、自分たちがもう若手枠ではなくなってしまうからだ。

写真を撮られ、週刊誌にも出た

 さらに、仮の話だけど、もし小川くんが有名女優と付き合ったらどうなるだろう。それを文春が記事にしようものなら。それは想像さえも恐ろしい。

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 みんなの嫉妬の感情を堰き止めていたダムは決壊し、一気に溢れ出す。なぜそれが分かるか。それは、もう覚えている人も少ないと思うけど、私自身、かつて女優と結婚していたからだ。

 付き合っている時に写真を撮られ、週刊誌にも出た。その頃に浴びた羨望と嫉妬は、抗いようのない激しい濁流に自分が飲み込まれていくようだった。その後、派手に結婚したくせにあっさり離婚して、そのニュースが流れ、傷つき落ち込んでいたら、初めて自分を見るみんなの目が優しくなった気がした。

 かつて、孫正義さんは禿げているのをネタにするから叩かれないという話を聞いたことがある。成功者が愛されるには、やはり何か身近な点が必要だ。若くて、仕事がデキて、金持ちで、モテて、そんな人物は断じて許されない。とにかく、先輩の私から上場したての小川くんにお伝えしたいのは、「嫉妬には今の10倍気をつけて」だ。

次の記事に続く 「スタートアップは美人コンテストみたいな側面がある」知っておくべきポイントは3つ⋯サイバー藤田晋社長が明かす「儲かるスタートアップ企業の見つけ方」