11人を殺害した凶悪夫妻、ジェラルドとシャーリーンの運命はどうなったのか──死刑は執行されたのか、それとも釈放されたのか。残虐な犯行の果てに待っていた衝撃の結末と、二人のその後の人生に迫る。文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より、その後の顛末を一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/最初から読む)
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殺人カップルのその後
11日後の同月17日、シャーリーンの両親から通報を受けた警察は、ネブラスカ州オマハの郵便局に両親から送られた500ドルの為替手形を取りに来たシャーリーンを逮捕する。観念した彼女は司法取引に応じ全てを自供。ここで2年にわたる、おぞましい犯行の全容が明らかとなる。
誘拐や暴行、殺人罪などで逮捕・起訴されたジェラルドは裁判で無罪を主張したものの、共犯のシャーリーンの決定的な証言により、1983年6月に死刑判決を下される。が、処刑は執行されぬまま2002年7月18日、収監されていたネバダ州刑務所の医療センターで、がんにより死亡した。享年56だった。
一方、司法取引に応じたことで懲役16年8ヶ月に処されたシャーリーンは刑務所に収監中、心理学、ビジネス、アイスランド文学を幅広く研究。メディアの取材にも応じ「自分は殺人を犯した加害者だが、同時にジェラルドの被害者の1人でもあった。そのことを理解するまでに長い時間がかかった」と語った。刑期を終え釈放されたのは、ジェラルドが死亡する5年前の1997年5月。その後、旧姓のシャーリーン・ウィリアムズとして事務職などに就き、2025年9月現在も68歳で存命である。

