裕福な家庭に生まれたシャーリーンは、夫ジェラルドとの出会いで11人を殺害する凶悪犯罪者に変貌した。ネバダやカリフォルニアで少女たちを巧みに誘拐し、性的暴行の末に射殺や撲殺を繰り返した彼女の狂気と、共犯となった夫との関係の闇に迫る。文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/続きを読む)
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最初の殺人
最初に餌食になったのは、ネバダ州スパークスに住んでいた16歳のサンドラ・バトラーだ。1978年6月26日、街のショッピングセンターに向かい歩いていた彼女にシャーリーンが声をかけ、車のバンにピックアップ。
まずはジェラルドが暴行・レイプし、その後、シャーリーンが加わり3人でのSMプレイに興じる。散々楽しみ飽きたころにジェラルドがサンドラを射殺。このとき、シャーリーンは言葉にできない興奮を覚えたそうだ。
3ヶ月後の同年9月10日、カリフォルニア州サクラメントのショッピングセンターで買い物を楽しんでいたキッピ・ヴォート(当時16歳)とロンダ・シェフラー(同17歳)を、シャーリーンが言葉巧みに誘い出しバンに拉致。銃で脅し、縄で拘束した後、一晩中レイプし続けた。翌日、被害者の2人を野原で下ろし、逃げる彼女たちにジェラルドが発砲。頭部を撃ち抜き、死に至らしめる。シャーリーンは“勇ましい夫”に有頂天になった。
