王座戦五番勝負で藤井聡太王座をフルセットの激闘の末に下し、叡王と合わせて2つ目のタイトルを獲得した伊藤匠二冠。ついに複数タイトル保持者となったことで、“藤井一強”時代から“二強”時代の到来も予感させる。

「文藝春秋」2026年1月号では、伊藤二冠が観戦記者の大川慎太郎氏のインタビューに応じ、同学年のライバルとの激闘、そして“憧れの存在”について語った。

伊藤匠二冠 ©文藝春秋

 2024年の叡王戦で、当時タイトルを独占していた藤井聡太叡王を下して初のタイトルを獲得すると同時に「八冠独占を崩した男」としても有名になった伊藤二冠は、初タイトルを取ったことで一時進むべき方向を見失っていたという。

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「それまではタイトルを取ることを目標にしていましたが、いざ実現したら、次にどこに目標を置けばいいのか苦労したというか、難しい時期でした。藤井さんからタイトルを一つ取ることが、やっぱり大きな出来事でしたから」

藤井聡太王座(右)との王座戦第5局に勝利し、二冠に ©時事通信社

「子供の頃から憧れていました」

 今回の王座戦挑戦者決定戦で争ったのは羽生善治九段だった。伊藤二冠にとっては「羽生先生のような棋士になりたいと思って、子供の頃から憧れていました」という存在だという。

 タイトル100期の偉業にあと一つと迫る中での決定戦出場で、羽生九段の勝利を願う声も大きい一局だったが、伊藤二冠は笑みを浮かべながらこう語った。

「全然気にはしていなかったです。自分も羽生先生のタイトル戦を見たいという気持ちはあるので、立場が違ったら羽生先生を応援していたでしょう」

 最近、伊藤二冠は、羽生九段に誘われて練習将棋を指しているという。

「羽生先生と将棋を指すことは本当に勉強になりますし、同じ時間を共有できること自体が、すごく貴重だと思ってます」

藤井聡太六冠 ©時事通信社

 発売中の「文藝春秋」2026年1月号、および「文藝春秋PLUS」掲載の「藤井六冠に勝ったと思った瞬間」では、王座戦五番勝負での激闘を詳細に振り返っているほか、口数の少ない伊藤二冠が2時間ものインタビューに応じ、日頃の自身の生活と棋士としての思いを率直に語っている。

文藝春秋

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出典元

文藝春秋

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