佳子さま、愛子さまの存在感が増している
9月6日、台風一過のすがすがしい晴天の下、秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が皇居・宮殿で厳かに執り行われた。皇室にとって実に40年ぶりのご慶事だったが、一方で、悠仁さまにつづく成年式の対象となる男性皇族がいないことが改めて浮き彫りとなった。
皇室のご活動が先細りしていく危機感が高まる中、佳子さま、愛子さまの存在感が増している。
6月、佳子さまは日本との外交樹立130年および「日本ブラジル友好交流年」でブラジルを訪問された。11日間の滞在は、サンパウロなど8つの都市をめぐられ、ほぼ毎日式典と移動を繰り返すハードスケジュールで、ブラジル国内線のエコノミークラスですやすやと眠る佳子さまの“寝顔動画”がSNSに拡散されて物議をかもした。しかし、学生時代、ダンスで鍛えた体力のある佳子さまは最後まで笑顔でやり遂げられたのだ。
愛子さまは、昨年2月、来日中のケニアのウィリアム・サモエイ・ルト大統領夫妻をもてなす昼食会で国際親善デビューを果たされた。ケニアからの賓客にスワヒリ語で「ハバリ(ごきげんよう)」とあいさつされ、ルト大統領から「ぜひケニアに来てください」と誘われた。令和のいまも天皇のアフリカ訪問は実現していないため、天皇家の一員である愛子さまが足を運ぶとすればその意義は大きい。
愛子さまは成年会見の際、「両陛下やほかの皇族方のお力になれますよう、私のできる限り、精一杯務めさせていただきたい」と抱負を述べられた。愛子さまのご活動が海外に広がることで、天皇皇后の存在感はますます大きくなるだろう。令和では、愛子さまが天皇皇后を支えながら、お三方で目指すべき皇室の姿を体現されていくようにも思う。
◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2026年の論点100』に掲載されています。


