「長女の告白」によって事件が明らかに

 だが、長女はそのことで悩み苦しみ、半年後には精神的に不安定になってしまった。ついに耐え切れなくなり、学校の先生にすべてを打ち明けた。それで警察の家宅捜索が入り、由貴は死体遺棄と殺人の容疑で逮捕された。取り調べでは、ずっと泣き通しだった。

「子どもがいなければ、今の生活を続けられると思った。赤ちゃんを産み落としたとき、はっきりと強姦した客の顔が頭に浮かんできた。私が働かなければ、彼が家を出て行ってしまうのではないかと思った。彼の子どもでなければ、あとあと問題が生じてくる。やっぱり育てられないと思った」

 由貴の公判では父親が情状証人として出廷し、次のように話した。

ADVERTISEMENT

「細田と一緒に住むのは前々から反対していた。孫の件もある。小学校の校長に呼ばれ、暴力や虐待の恐れがあると言われた。細田のことは許そうとは思っていません。由貴には私たちのもとで子どもたちと一緒に暮らすように説得します」

 同棲相手だった細田も由貴の公判に情状証人として出廷する予定だったが、その直前に行方をくらました。もはや連絡もつかない。それでも由貴は目が覚めない。

「今後の生活については、彼と話し合って決めたい。彼は周囲が言うほど悪い人じゃない。確かに体は弱いけど、他の面でいろいろフォローしてくれている。できれば彼と同棲生活を続けたい」