『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(マーク(村木幸司) 著)プレジデント社

「look」「watch」「see」。いずれも「見る」という意味の単語だが、違いを説明できるだろうか。そうしたネイティブが自然に使い分ける英単語やフレーズの微妙なニュアンスを、ピクトグラムで視覚的に掴めるように工夫した英語学習書が売れている。

 著者は英語コーチング協会認定コーチ。もともとは英語が苦手で、大手自動車メーカー勤務の30代前半に仕事で必要に迫られて2年間英語を学ぶも成果が出ず。だが、思い立って中学生レベルの基礎英文法から学び直したことが転機となり、やがてTOEICで940点をマークするほどに成長した。

 X(旧Twitter)では本書の元になったピクトグラムを用いた英語解説で何度もバズっており、フォロワー数は6万人を超えている。

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「Xで著者に興味を持ったとき、ちょうど中学生になりたての私の息子が英語嫌いになっていたんです。でもピクトグラム解説に対する反応はよかった。その様子を見て、英語に苦手意識がある人も直感的に理解できる本になりそうな手応えを感じ、企画を出しました」(担当編集者の工藤隆宏さん)

 本の構成にはコーチとしての経験が活かされている。中学英語のおさらいから日常会話の頻出単語とフレーズの学習へ進み、句動詞、類義語、対義語の知識を身につける。そして最後はTOEIC対策。いずれの項目もピクトグラムの使い方が効果的だ。

「Xの投稿では既成のピクトグラムを使用していましたが、本書ではあらためてプロに描き下ろしてもらい、より精度を上げて、言葉のイメージを伝わりやすくしています」(工藤さん)

 刊行直後はSNSの語学学習コミュニティを中心に手に取られ、プレジデントオンライン掲載の抜粋記事で読者が広がった。大ヒットの決定打となったのは、TBSの朝の情報番組「THE TIME,」。長尺で取り上げられたことでグンと売れ行きが伸びたそう。

 読者層は40代・50代の割合が高く、世代内の男女比は4対6だ。

「『子供と一緒に読んでいます』という感想も数多く来ています。お子さんからの感想もあって、10歳の子からの『英語を勉強するのが楽しくなりました』という直筆の感想はうれしかったです。作った甲斐がありました」(工藤さん)

2025年3月発売。初版7000部。現在14刷17万部(電子含む)

見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑

マーク(村木幸司)

プレジデント社

2025年3月17日 発売