「関氏はCEO当時、減損処理をするべきなのに処理していないなど、不適切会計事案がどれほどあるか、意思決定した時期とその額をリストアップさせました。すると、当時で1000億円を超える不適切な案件が見つかりました。おそらく関氏は、問題が発覚した際に永守氏が責任を押し付けてくることを想定して、あらかじめリストを作成させたのだと思います」(「ニデック永守代表の落日」より)
11月14日の記者会見では、ニデック社長の岸田光哉氏が「企業風土、組織風土の改革が必要」と語ったが、ニデック内部の“風土”とはいかなるものだったのかを読み解く手がかりとなる内容だ。
永守氏と関氏、2人の肉声記事
これまで「文藝春秋」では、永守氏や関氏の肉声も伝えてきた。2020年11月号に掲載された「日本電産会長 自動車産業の『インテル』になる」では、永守氏本人が登場。“企業の成長”に懸ける思いを語った。
「企業の成長が止まっていることについて、政治家がどれほどの危機感を持っているかわかりませんが、これがいまの日本にとって最大の課題。新たに10兆円企業が2、3社できれば日本の経済界は大きく変わっていくと思います。そのためにも、まずは日本電産が10兆円の売上高を達成したいと考えています」
一方、関氏もCEO就任時に「文藝春秋」のインタビューに応じている(2021年3月号掲載)。
「『1on1』以外にも普段から矢継ぎ早に指示や問い合わせなどのメールが来て、それに私が返信する『交換日記』のような形でも意思疎通を図っています。いわば永守を家庭教師のようにして、経営について勉強させてもらっているところはあります。もちろん、他の社員ほどではないにしても、私も叱られてしまうことはありますが(笑)」(「日本電産社長 EVの覇権を狙う」より)
CEO辞任時にも関氏はインタビューに応じており、自らの人生を振り返りつつ、EV世界市場の展望を語っている(2023年4月号「さらば日本電産!私は台湾で戦う」)。
このほかにも関氏のCEO去就の内幕は、2022年12月号に掲載された「日本電産で何が起きているのか」で、井上氏が詳報している。
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出典元
【文藝春秋 目次】前駐中国大使が渾身の緊急提言! 高市総理の対中戦略「3つの処方箋」/霞が関名鑑 高市首相を支える60人/僕の、わたしの オヤジとおふくろ
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