12月19日、ニデック(旧日本電産)の創業者でグループ代表の永守重信氏が代表取締役を辞任した。

 ニデックでは不適切会計“疑惑”が相次いで発覚し、第三者委員会による調査が進められている。「文藝春秋」2026年1月号に掲載された記事(「ニデック永守代表の落日​」)で、ジャーナリストの井上久男氏が問題の核心に切り込んだ。

ニデックグループ代表を辞任した永守重信氏 Ⓒ時事通信社

「絶対匿名」を条件に明かされた逸話

 この記事で、井上氏は、ニデック関係者への取材に基づいて不適切会計“疑惑”の内幕を明らかにした。2021年頃、元中堅幹部は、井上氏に次のように打ち明けたという。

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ニデックでは決算間近に売上が足りないと、翌期の売上を先食いして計上するために『赤伝票』を発行し、翌期に入ると、その売上を元に戻す『青伝票』を発行していたことがある」(「ニデック永守代表の落日」より

 この点についてニデック広報に確認すると、「第三者委員会による調査事項となりますため、回答は控えさせていただきます」との返答だった。

 さらに、永守氏とかつてのCEO・関潤氏の確執も見えてきた。同記事では、「絶対匿名」を条件に、経営中枢を知るニデック関係者が次のように明かしている。