提示された金額はわずか2102万円

 A社は、あいおいニッセイ同和の地震危険補償特約付き火災保険に加入していた。地震の場合は建物損壊数が多く、損害保険会社の鑑定人の査定が進まない。A社にも鑑定人が来なかったため、契約代理店を通じ、大手ゼネコンの2通りの見積書をあいおいニッセイ同和に提出した。

室内も天井など複数個所が破損している(写真は震災直後)

 ここから長い闘いが始まった――。

 あいおいニッセイ同和が初めて保険金の額を提示してきたのは、地震から1年11カ月が過ぎた18年3月のこと。地震特約による保険金は被災額の50%を支払う契約であり、2億1000万円の見積もりを基にすれば保険金は1億500万円となるが、提示された金額はわずか2102万円だった。

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「私が提出した見積書の項目を削りに削っていました。保険鑑定人の署名はありましたが、鑑定人は社屋を訪ねてこなかった。あまりに杜撰ではないですか」(伊藤社長)

◇ ◇ ◇

「週刊文春 電子版」では、伊藤社長が不信感を抱いたあいおいニッセイ同和の対応、そして今年1月にあいおいニッセイ同和がA社に対して起こした民事訴訟の詳細について報じている。 

文春リークス

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