株式会社サイバーエージェントを1998年に創業して以来、インターネット業界を牽引してきた藤田晋氏が、12月12日に行われる同社の株主総会を経て、社長を退任し、会長となる見込みだ。
「自分が退き、経営トップの若返りをはかりたい」
同社は創業から事業を拡大し続け、ABEMA、インターネット広告、ゲームなどを中心に売上高は8000億円を超える。28期連続増収と成長している最中に、なおかつ“働き盛り”と思える52歳での社長交代について、藤田氏はこう説明する。
「パブリックカンパニーを標榜しながらも、特に意思決定に関しては、自分への依存度が増していくことに、矛盾を感じてもいたんです。自分にしか社長ができない会社になってしまったら、それはパブリックカンパニーとは言えません。それに、若い社員を抜擢して、要職に起用してきた企業文化がサイバーエージェントの活気の源です。だからこそ、このタイミングで自分が退き、経営トップの若返りをはかりたい、と」
社長交代を社内で発表したのは、2022年のこと。後継者候補に選ばれた16人の中から4年近くかけて社長候補を絞り込んでいき、“二代目”に選ばれたのが42歳の山内隆裕氏だ。
「実は1年以上前から、『次期社長は山内』という意見は、外部アセスメントの結果、そして社外取締役などの間でも一致していました」
2006年に新卒で入社し、入社4年目の2009年からスマホに特化した広告マーケティング事業を中心とする子会社CyberZの代表取締役に就任。IP分野にも強く、近年はサイバーエージェント本社の役員会のメンバーでもあった。山内氏のパーソナリティについて、藤田氏はこう説明する。
