日本を代表する司会者でありながら、主婦としての等身大の目線が大きな共感を呼んできた上沼恵美子さん。現在は夫・真平さん(78)との別居生活を謳歌中。

「娘」「嫁」として実親や義母を見送った上沼さんが考える、女性が介護を担いがちになる遠因とは?『週刊文春WOMAN創刊7周年記念号』より一部を抜粋、掲載する。

上沼恵美子さん ©文藝春秋

◆ ◆ ◆

ADVERTISEMENT

子どもは、実家の母が一番ちゃんと見てくれる

 母に子どもを見てもらってたから仕事ができたっていう恩もあるんです。私が働けてちょっと活躍できたのは母がおったからやと思います。

 昔ね、梅田にお中元買いに行くから姑に下の子見ててもらって、帰ってきたら前髪をぱつぱつに短く切られてたことあって。「恵美子さんごめんなさい。私目が悪いもんだから前髪切ってたらこんなことになっちゃった」って言うんだけど、殺意を覚えた。ちょっと泣いたね、ベッド行って。

 だから姑には預けたくなかった。実家の母が一番ちゃんと見てくれる。私は鬼怒川温泉に姑連れて行ったら、別の日にうちの母を連れていくみたいなこと、ようさんしてました。

一番多忙だったという40代の頃は関西タレントで納税額が1位に(本人提供)

 今はそういう娘さんも多いんじゃないですか? 女三界に家なしとか、歯食いしばっても実家に帰るな、なんていうのは昔の話ですね。今は「今日娘のところに寄っていくねん」っていうような姑さん多いですよ。そこは緩くなってるわ、昔の農家に嫁いだ嫁と違ってね。

 ただ、一緒にお菓子食べながら「お母ちゃん」って言えるようになったけど、その分老後お母ちゃんのこと見なあかんかもわからへんな。お母さんはお母さんで孫の面倒見なあかんけど、孫のかわいさは見れるやん。