不適切会計問題で第三者委員会の調査を受けているニデックは12月19日、創業者の永守重信グローバルグループ代表(81)が本人の意向により取締役などを辞任したと発表した。
取締役会議長の役職からも離れ、後任には2024年2月から社長兼最高経営責任者(CEO)を務める岸田光哉氏が就任する。
川口春奈が出演したインパクトのあるフレーズを使ったテレビCMでも知られるニデック。永守氏が1973年に設立し、国内外70社の企業のM&Aを行うことで急成長してきた。「ニデック」へ社名を変更となったのは2023年7月1日。日本電産から、グローバルブランドとして先行して使用されていた同社名で再出発した。
「回るもの、動くもの」を総合的に手掛ける電機メーカーは、精密小型モーター開発・製造でシェア世界一を誇り、2025年3月期売上は1兆2938億円。今年9月、そんなニデックに不適切会計の疑いが浮上した。
10月28日には日本取引所グループがニデック株について、内部管理体制の改善を求める「特別注意銘柄」に指定。同社株は急落し、ストップ安となった。さらに翌日には格付け機関ムーディーズ・ジャパンがニデックの格付けをA3からBaa1に引き下げる事態に発展していた。
ながもり・しげのぶ/1944年京都府生まれ。1967年職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。音響機器メーカーを経て、1973年に28歳で日本電産を設立。モーレツな働きぶりで一代で世界的企業となるまでに成長させた。
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