溢れんばかりの“ものづくり”への情熱を見せていた

 栃木県内の進学校として知られる大田原高校を卒業後は宇都宮大学に入学。教員免許を取得し、15年に栃木工業高校に赴任する。

「機械科の先生で、金属を切断する旋盤の使い方を優しく教えてくれた記憶があります」(栃工の教え子)

 そして、21年4月から今回事件を起こした宇都宮工業高校に赴任するのだ。

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勤務先だった宇都宮工業高校

 同校の卒業生が明かす。

「古口先生は作業着姿でよく授業をしていました。坊主でスラッとしており、僕らが授業中にふざけてボケをかましても、しっかり拾ってくれる。だから一部の生徒からはとても人気があったんです」

 ただ、第一印象はあまりよくなかったという。

「初めての授業の際、僕ら生徒のことを『お前ら』呼ばわりしてきたんです。それが少し気になったんですが、基本的には真面目でいい先生でした」(同前)

 機械工作の専門的な知識や技術が豊富で、生徒からも教職員からも信頼されていたという古口は、学年末テストの後に行われた授業でこんな熱い言葉を生徒たちに投げかけていた。

「君たちが“ものづくり”で日本という国を引っ張って行ってほしい」

 ところが――。

 溢れんばかりの“ものづくり”への情熱は、あらぬ方向へと向かっていたのだ。

 ある学校関係者が内情を明かす。

「実は、古口先生は定時制夜間部に配属されていたので、帰るのはいつも夜9時以降で遅かったんです。人目につかない放課後の時間帯を利用して、校内に盗撮カメラを張り巡らせていたのではないでしょうか」

 警察の取り調べに対し、「1人でやった」と供述している古口。しかし、盗撮した画像や動画がどのように扱われていたのかは明らかになっていない。

 “作品”を賞賛し合う投稿

 日々摘発され続ける盗撮事件。撮影されたデータはどこへ流れるのか。

「週刊文春」記者はその行方を探し、インターネット上の複数の匿名掲示板に潜入取材。そこには、盗撮犯らが撮影した盗撮動画を自らの“作品”と称し、互いに販売・交換し合ったり、賞賛し合う投稿が並んでいた。

〈いつも同じ駅から乗る色白ちゃん〉

〈1軍女子の生パンです〉

〈これはエロい! さすが、いつも惚れ惚れします〉

 高校生と思われる制服姿の女性が、駅や学校内、ショッピングモールなどで撮影され、中には被害者の顔写真とともに数百円〜数千円で購入を促すものも。スカートの中と被害者本人の顔が同時に写った動画は、より高値で取引される傾向にあるようだ。

 仲間内での褒め合いに触発されたのか〈初めて撮ってみました〉など、盗撮に初めて手を染めたことを示唆する投稿もあった。