占いやスピリチュアルに、なぜ成功者ほど惹かれてしまうのか――サイバーエージェント藤田晋氏は、経営の最前線で数々の“非科学的な誘惑”を目撃してきた。一流の経営者でさえ合理性を手放してしまう、その心理を各所から大反響のビジネス書『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』(文藝春秋)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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株主名簿に新興宗教が現れた時は
私と同じような立場の社長でも、運気や運勢にハマる人は結構多い。専属の占い師をつけている人もいたし、風水を頼る人もいる。だけど、尊敬する権力者や世話になっている年長者が本気でハマってる時は意外と厄介だ。真剣にスピリチュアルの話をされたら、感心して頷くしかない。あなたの名前は字画数が悪いと改名を勧められ、断れなくなった人も見たことがある。
また、長年社長をやっていると、「M資金」や「徳川埋蔵金」のような架空の話を持ちかけられることもある。M資金の話はとある有名芸能人からだったけど、他の誰かから聞いて真偽が分からず私に相談してきたので、有名な詐欺話だと教えてあげた。
うちの会社の株主名簿にとある新興宗教法人が現れた時は、IR取材を理由に面会を求められた。断りきれずに会うと、「社長って孤独ですよね?」「本当の幸福が何か知ってますか?」などとしつこく尋ねられた。
