和田 もっと、セールスマンっぽく、というニュアンスだったんだと思います。「一回やってみます」と僕なりのイメージで演じてみたら、「和田さん、それ完璧です!」と言ってくださって(笑)。「今のイメージで、いくらでも遊んでください」とも言っていただいたので、“やたら口のうまいトップセールスマン”という設定で、浅野斗真像を作り上げていきました。
初登場のカフェのシーンは、「浅野斗真の自己紹介」として、かなり遊び心を加えているので、ぜひ注目していただきたいです。
完全に合わせきるより、自分の色を少し混ぜる
──2.5次元の世界で磨いてきた“キャラクターの立ち上げ力”が、この役でも発揮されているのですね。
和田 原作のある役では、もちろんビジュアルや声のトーンをできる限り原作のゾーンに入れるようにはします。でも僕は、自分が表現するキャラクターを観て、その作品をもっと好きになって、僕のことも応援してくれる、というのがみんなにとって最強だと思っているんです。完全に合わせきるより、自分の色を少し混ぜる方が、作品全体が豊かになると信じているので、なるべく自分なりのカラーを載せるようにしています。
本作は、「自分が思う浅野斗真像」を頭の中に思い描いて、それを表現するイメージでできたので、楽しませてもらいました。
──物語の軸には“バズへの欲望”があります。2.5次元の世界でもSNSの影響は大きいですよね。
和田 大きいですね(笑)。フォロワー数が“武器”になる世界でもあるので、SNSの使い方はかなり意識しています。
少し前にInstagramを始めたのですが、投稿の仕掛け方なども、完全に戦略を考えてやっています。
たとえば最近だと、カレンダーのご購入者へ直にお渡しする「カレンダーイベント」をやらせていただいたのですが、「顔しか見なかったから服装を覚えていない」という投稿が多かったんです。それで、「服を覚えていてもらえなかったので、来年は裸でやります」と冗談で投稿したら、それがバズって。「あ、こういうことか」と(笑)。
自身でも制作を手がけたいという気持ちは?
──主人公の美咲と皐月は、動画収入に惹かれ、フェイク動画を創り出します。バズるためのフェイク動画については、どう思いますか?
和田 あの気持ち、すごくわかるんです。でも、僕が役者である限り、フェイク動画は絶対に作れないですね。役を演じることは、嘘ではなく、“リアル”ですから……。もし僕が動画クリエイターだったら、わからないですけど(笑)。今はちょっとしたスパイスを振るくらいで十分かな、と思っています。
──動画クリエイターの映画制作に触れて、ご自身でも制作を手がけたいというお気持ちは生まれませんでしたか?
和田 まったくないです。演出や脚本をやってみないかというお話をいただくこともありましたが、自分のなかでは「プレイヤーとして売れたい」という気持ちが一番なんです。制作サイドまでやる気持ちと時間のゆとりがもてなくなってしまうと思いますし。
ありがたいことに、ドラマや映画のお仕事も徐々に増えているので、これからも表現者としてのポテンシャルを上げ続けたい。それが一番の本音です。




