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あの日経が「夜の五輪」を提案 森喜朗「サマータイム」騒動とは何か

ミスター・サマータイム 森喜朗を、もう一度考える

2018/08/10
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 今週の「スクープ」と言えば、産経新聞が8月6日に一面で報じた「サマータイム導入へ」だろう。

《五輪組織委員会の森喜朗会長は先月27日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相にサマータイムの導入を要請した。》

 出ました、森喜朗!  東京五輪の酷暑対策で「2時間繰り上げ」で「2年限定」という。

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首相官邸HPより オリンピックおじさんたち

「ピンチはチャンス」そもそもピンチを招いた人は誰だ

 先月末、7月24日の日刊スポーツに森喜朗インタビューが掲載された。そこで、

「この暑さでやれるという確信を得ないといけない。ある意味、五輪関係者にとってはチャンス」と述べていた森会長。

 記事には「ピンチはチャンス」と書いてあったが、そもそもピンチを招いたのは誰だ。

 というのも、組織委員会の前身の招致委員会はIOCに提出した立候補ファイルで「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」とプレゼンしていたが、森会長はこのあと「一番暑いときにマラソンをしたら倒れる人がいっぱいいるんじゃないか」と講演で発言しているのだ(時事ドットコム 2014年10月24日)。

 招致委員会と組織委員会会長が正反対のことを言っているのである。4年前から。