チャンネル登録者数約76万人のYouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』は、日本中に眠る個性的な物件や住宅を紹介している人気コンテンツだ。その運営者に、近年注目を集めているスモールハウス物件について話を聞いた。

わずか1日で完成する3Dプリンター住宅 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

多彩なスモールハウスの世界

 コンパクトな住まいは単なる「小さな家」ではない。京都の9坪の町家を訪れた『ゆっくり不動産』の運営者は、玄関を開けた瞬間に「こ、これは洞窟やないかい」と声を上げた。漆喰仕上げの壁とアーチを描く天井が、まるで洞窟のような独特の空間を作り出していたのだ。限られたスペースながら、収納アイデアや繊細な建具など、随所に工夫が凝らされていた。

 一方、福岡県福津市では「400平米の敷地に立つ16平米のスモールハウス」という驚くべき物件に出会った。真っ赤な外壁の小さな家が、緑豊かな自然の中にポツンと佇む光景は圧巻だ。「テラスのさらに奥に道が続いていて、ウッドバルコニーが作られていました。竹林を眺めながらのんびり過ごせる、まさに『秘密基地』です」と、子供時代の夢が詰まったような空間に興奮を隠せない様子だった。

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 最近では技術革新によって、スモールハウスの選択肢も広がっている。わずか24時間で完成する3Dプリンター住宅「スフィア」は、NASAの火星移住プロジェクトを手掛けるデザイナーが設計に参加。球体に近い構造が物理的に揺れを吸収する耐震性を備え、価格はわずか300万円~という驚きの物件だ。その開発者は「30年の住宅ローンを本当に払い続けられるのだろうか」という問いから、「車を買い替えるように家を買い替えられるようにしたい」と考えたという。

 また、「PACO」と呼ばれる約4坪の木質パネル構造の住宅は、工場で生産された本体をそのまま現地へ運搬して据え付ける「直送型」を採用。「工場生産することで技術のばらつきがなくなる」利点があり、季節を問わず20度程度の温度を保つ性能を持つ。「プラモデルのように組み立てる」タイプの「小屋キットTINY」は、わずか3坪の空間にベッド、キッチン、トイレ、シャワーブースなどすべての機能を無駄なく詰め込んだモデルも登場している。

 これらの事例は、限られた空間に凝縮された暮らしの可能性を示している。手の届く価格で、個性的で居心地の良い「自分だけの空間」を手に入れることができるスモールハウスは、住まいに対する新しい価値観を提示している。

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