上場企業の社長としての成長に

 ネットバブル崩壊後しばらくは、株価は上場時の10分の1まで下がり、悪評が悪評を呼ぶ展開で評判が悪く、保有していた現金が唯一の株価ストッパーという状況だった。

 それでも私にしてみれば、インターネット市場の将来性、創業3年で急成長中の会社、この時27歳の起業家としての可能性、全てはこれからで、未来へ向けて必死にやっている最中だった。

若かりし頃の藤田晋会長 ©文藝春秋

 村上さんの活動や理念は、株式市場に緊張感と規律を持ち込む上で必要なものだと思う。長年にわたって、現金をため込むだけの緩んだ会社や、内向きの競争や仲間意識ばかりで株主を軽視している経営陣は実際たくさんいる。でもそれは大半が社歴の長い古い会社の話だろう。未来ある新しい会社や若い経営者に手をだすのは違うと思う。

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 そもそも私は株主軽視どころか、上場直後から株式市場に死ぬほど揉まれ、IR活動に人一倍熱心だったから株主との対話は日常だった。当時を思い出すと、また恨めしい気持ちが蘇ってくるけど、この件についてわだかまりはもうない。

 後年、食事をしながらネチネチと文句を言わせてもらったし、村上さんも私が成長したのが嬉しかったのだろう、笑いながら「悪かった」と謝ってくれた。

次の記事に続く 「地上波テレビは儲からないし、不祥事にも脆いけど…」サイバー藤田晋が「本業よりも不動産で稼ぐフジテレビ」を“至極まっとう”と評価する理由にぐうの音も出ない!