全裸で逃げ出した22歳女性の告発により、悪夢のトレーラーハウスは白日の下に晒された。だが裁判で問われたのは“拷問”まで。殺人の決定的証拠は見つからず、夫婦の運命は大きく分かれる。

 60人以上の拷問殺人に携わったと推定される「夫婦のその後」を、文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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なぜ22歳女性は逃走に成功したか?

 1999年3月19日、デイビッドとシンディは前出のシンシアを誘拐・拉致、おもちゃ箱で拷問を加える。3日後の22日、瀕死の状態の彼女に脱出する千載一遇のチャンスが訪れる。

 この日、デイビッドが仕事に出かけており、トレーラーハウスにはシンシアとシンディだけが残されていた。シンディが油断したのだろう、シンシアの拘束具の鍵を、彼女が繋がれている椅子のすぐ側のテーブルに置いた。そのまま外に出ていくシンディ。

 今しかない。シンシアは死にものぐるいでテーブルの上の鍵を何とか手元にたどり寄せた。その瞬間、シンディが戻ってきてシンシアの頭部めがけてランプをぶつける。しかし、シンシアは痛みに耐えながら必死に拘束具の鍵を外した後、近くに置いてあったアイスピックでシンディの首を突き刺し、そのままトレーラーハウスから脱出、一目散に逃げ出したのである。