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アカデミー賞は“裏方の人たちにスポットライトが当たる場所〞
2025年に開催された第97回授賞式は、ロサンゼルスで起こった山火事の影響で延期の可能性がありました。開催すること自体に対して、特にロサンゼルス地区に居住する映画人たちからの賛否があったのです。
当日の式典は、ロサンゼルスを舞台にした映画の名場面を集めた映像で幕が開きました。映像に続いて登場したアリアナ・グランデは、第12回の歌曲賞に輝いた『オズの魔法使』(1939)の劇中歌「虹の彼方に」を歌唱。それは、彼女が前日譚である『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)に出演しているから、という理由だけではありません。『オズの魔法使』には「There’s No Place Like Home」=「お家(うち)が一番」という名台詞があります。この言葉は、被災者の想いを代弁するものであり、式典の中盤では消火にあたったロサンゼルスの消防士たちが登壇するくだりがありました。
司会のコナン・オブライエンは、この時期に開催することへの異論に対して、アカデミー賞が「裏方の人たちにスポットライトが当たる場所」なのだと説明。“裏方”とは、映画の現場に携わる人々のことだけを指しているのではないことは明らかで、加えて各映画賞の度重なる延期や中止によって、仕事を失っていたスタイリストたちへの配慮をも感じたのでした。
