「竜馬が死ぬシーン」を最初に描いた理由

山崎 吉田松陰がピュアなのも、私の印象に近かったです。何を考えてるかわからない黒目がちな目がちょっとミステリアスというか、宇宙人っぽいというか(笑)。

鈴ノ木 松陰は苦労しました。熱い性格なのか、サラッとした性格なのかで迷って。でも、あれだけカリスマと言われるから、近寄りがたい顔にしたいなと黒目を多くして、原作にない桂小五郎と松陰の絡みは大事に描きました。

 ただ、ひとりで机に向かっていると、読者にちゃんと届いている実感はわきません。電車でランドセルを背負った男の子が読んでくれているのを目撃したときは感激しました。

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山崎 わかります。私も毎日ラジオの生放送で話しながら、「本当に聴いている人いるのかな」という気持ちが常にあります。だから「いつも聴いてます」「さっき流れてたよ」と言われると安心するんです。

鈴ノ木 僕の漫画は、必ずしも原作通りではないから読者の反応は気になります。プロローグもそう。僕は、竜馬が襲われて死ぬシーンが本当に嫌いなんです。だから、最初に描いちゃった。

山崎 たしかにショッキングな幕開けでしたけど、そんな事情があったんですね。作品に緊迫感があるせいか、単行本で各章の終わりにある「おまけイラスト」には癒やされました。竜馬たちのかわいい部分が垣間見えて、いつもほっこりしています。

 

竜馬がゆく 15

司馬 遼太郎 ,鈴ノ木 ユウ

文藝春秋

2026年2月16日 発売

次の記事に続く 「龍馬は命がけで動き、知略に富み、柔軟に考えを変えていく…すごく好きなところです」山崎怜奈と鈴ノ木ユウが語る”坂本龍馬を好きなワケ”