「綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の加害者は6人。25年にわたり彼らを取材し続け、1月に『償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』(文藝春秋)を上梓した北海道放送報道部デスクの山﨑裕侍氏が見たのは、「償い」の答えを出せない者たちの姿だった。犯罪を繰り返す人間と、事件に向き合う人間。その後の人生を大きく分けたものは何だったのか。(全2回の2回目/はじめから読む)
(初出:「文藝春秋PLUS」2026年1月25日配信)
父親の不在、母親との希薄な関係
山﨑氏によれば、加害者たちには驚くほど共通点があった。
「いじめとか暴力を受けた経験があることと、父親の存在感がないことですね。母親と親子関係も結べているかというと、そこも希薄で」
主犯格のAは小学校の頃から不良として有名だったが、一方で柔道に打ち込み大会で優勝を目指すなど真面目な一面もあった。しかし、父親の不在、母親との希薄な関係、学校での体罰などから、暴力や支配によって自分の居場所を見つけてきた。
準主犯格B、そして他の加害者たちも、家庭や学校に居場所がなかった点で共通していた。
実刑を受けたCの反省なき姿
加害者の中で、自宅が監禁場所となったCは実刑判決を受けた。山﨑氏は直接会って話を聞いたが、「反省や償いの気持ちは見えなかった」という。
「今は自分が生きることで必死で、償いについて深く考えている様子はありませんでした」
実刑判決を受けたA、B、Cはその後も再び事件を起こしている。
一方、少年院送致のEとFは…
一方、少年院に送致されたEとFに関しては、「反省を深めていました」と山﨑氏は語る。特にFについては、少年院の中で自分の罪や課題に向き合い、退院後も被害者のことを忘れず、償いに向けてどうすればできるのかを真剣に考えながら生きている姿が、やり取りの中で強く感じられたという。
