「吉村の調子が悪い」
「ミスばかり」
「代えてもいいのではないか」
コルティナの地で五輪のラウンドロビン(予選リーグ)敗退が決まってしまった女子カーリング日本代表・フォルティウスだが、そのエースである吉村紗也香に対してインターネットのコメント欄やSNSには辛辣な意見が並ぶ。中には読むに耐えないコメントも見かける。
ロコ・ソラーレの吉田知那美は、北海道新聞のコラムに〈カーリングは投げる係、スイープする係、ラインコールをする係がいて、全員で1投を決める競技〉との一文を寄せているが、その通りでミスはチーム全体のもので誰かひとりが責められるものでは決してない。
共にプレーした石垣真央の言葉とは…
それでも責任感の強い吉村のことだ。それが決まらない今、重圧となっているのかもしれない。報道を見ても「私がしっかり決めていれば――」「自分のところで――」というコメントが目立つ。
「言葉でチームを勇気づけるタイプではないけれど、プレーで示して引っ張っていく選手でした」
吉村が本格的にカーリングを始めた「WINS」の中学時代から常呂高校、札幌国際大学のジュニア時代まで、彼女と共にプレーした石垣真央はこう語る。
「たくさん負けてよく一緒に泣いたけれど、さやは負けず嫌いだったので、そのぶん練習して次の試合では『どうすんねん、これ』みたいな(絶体絶命の)状態でも、ランバック決めてくれたりと頼もしいスキップでした」
吉村や石垣を中高大で指導したのは小林博文コーチだ。現在は男子のKiT CURLING CLUBのコーチでもあり、吉村らとの付き合いは20年以上。結婚や出産、チームを取り巻く状況が変化する時などには報告と相談をしてきた間柄で、コーチと選手というよりもなんでも言い合える親子のような関係と言える。
イタリア出発前、誕生日を迎えた吉村に「おめでとう」とLINEを送ると「34歳になっちゃった」と返事が届いたそうだ。その小林コーチも言う。
「自分で努力できる選手だった。練習が終わってもひとりで投げていることが多かった」

