――脳への影響もあるのですか。
髙取氏 腎臓は血圧をコントロールしているので、脳出血のリスクに関係があります。それから、腎臓が悪くなると血管の合併症が増えるため、脳梗塞も増えてきます。最近では、腎臓が悪くなり毒素が溜まることによって、認知症が増えるともいわれています。
――意外な症状もありますね。
髙取氏 腸との関係も重要です。腎臓が悪くなり血液中の毒素が溜まっていくと、腸内細菌叢も崩れて悪玉菌が増えるんです。それで全身性の炎症が起こり、体全体を劣化させます。腎臓病の方は便秘にもなりやすいです。
人工透析の医療費は年間約500万円
――慢性腎臓病が進行するとどうなるのでしょうか。
髙取氏 最終的には人工透析になってしまいます。僕ら腎臓内科医としては防ぎたいところなんですが。
――現在の透析事情はどうなっているのですか。
髙取氏 現在、日本では約35万人が透析を受けています。これは成人の400人に1人が透析をしているということになります。透析は患者さんの心身に非常に負担ですし、医療費も1人当たり年間約500万円かかると言われています。トータルで年間約1.6兆円もの医療費がかかっています。
できるだけ初期段階での発見を
――大変な額ですね。
髙取氏 これは厚生医療による公費になっているので、国にとっても大きな負担です。だからこそ、今、国を挙げて慢性腎臓病で透析になる患者さんを減らす取り組みがなされています。
――早期発見が重要ということですね。
髙取氏 その通りです。慢性腎臓病は早く見つければ見つけるほど、透析になる可能性は減ります。できるだけ初期の段階で見つけて、そこから腎臓をいたわるような生活をしていくことが大切です。

