指摘を隠すための意図的削除ではないかと疑念も
削除の直前にはプレジデントオンラインが過去のコラムを検証していた。「消費税減税は私の悲願」とする最近の発言を裏付ける記述は見当たらず、むしろ増税に肯定的な内容が多かったと報じていた。記事公開後にコラムが一括削除されたため、指摘を隠すための意図的削除ではないかと疑念が出ているのである。
もし、ブログの検証記事がきっかけで削除されたのだとすれば、それは都合の悪い指摘への向き合い方として適切だったのか、という疑問が残る。
こうした出来事は、単なる野次馬案件で済ませられるものではない。我々日本に住んでいる人間にとっても重要な問題だからだ。今後国家の命運に関わるような状況が勃発したとき、首相側の危機対応がここまでわかりやすい悪手をどんどん駆使するなら、我々にも影響する。防衛費をいくら増額しても肝心の首相が杜撰な自己防衛ぶりだと元も子もない。求められるのは、状況を見極め、冷静に説明し続ける力である。
検証コラムを読んだ人の多くは首相のブログを確かめるだろうし、消されていれば話題にならないわけがない。その可能性すら計算していなかったのだとすれば、周囲に直言できるブレーンはいるのか。あるいは、いても言えないのか。
そして、ここでもう一つ見落とせないのは「意見が変わること」そのものは恥ではない、という点だ。政治家は私たちの代わりに議論する職業である。徹底した議論の末に考えが変わったのならそれでいい。必要なのは、なぜ変わったのかを言葉で示し、説明し、説得することだ。それこそ政治家の本分ではないか?
316議席は、強さの象徴であると同時に、言い訳のできない立場に立ったという意味でもある。巨大与党となった今、「逃げません」という言葉は、これからの国会でどう示されるのだろうか。
