“独身偽装”。既婚者が独身を装い、交際相手を騙す行為だ。近年、性的な自己決定権(貞操権)を侵害したとして、損害賠償を命じられるケースが相次いでいる。

 

 コハルさんも独身偽装の被害者だ。

 2022年5月中旬、初夏の光に包まれる北海道千歳市。丘一面を菜の花が金色に染めていた。コハルさんは7歳年上の航空自衛官(三佐)の山崎トキオ(仮名、当時44)とドライブを楽しんでいた。

 青のスバル・フォレスターのハンドルを握る山崎は、がっちりとした体格に人懐っこい顔つきで、芸人の松尾伴内を彷彿とさせる。

菜の花畑でほほ笑む山崎とコハルさん

「土日に制服姿で現れることもありました」

 出会いは同年2月。仕事で上司と千歳基地を訪れたコハルさんに応対したのが山崎だった。カーキ色のフライトスーツに身を包んだ山崎は、はじめこそ寡黙だったが、LINEの連絡先を交換してから、次第に打ち解けていった。

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 やがて、山崎からのLINEには好意が滲むようになった。

〈コハルさんは、ものすごくお若いです!!〉

〈かたや、洗練された美しさもあり、とても不思議な方だなぁと感じてました〉

 単身赴任なのか尋ねると〈いわゆる、バツ組なんです💦〉。2年前に離婚した元妻との間に10代の娘がおり、離れて暮らしているという。コハルさんも、自身がバツイチであることを明かした。共通項も多く、仕事の話題でも盛りあがる。そんな折にドライブに誘われたのだ。その数日後、「他の男性に取られたくない」と告白され、交際が始まった。

 過去の経験から結婚に消極的だったコハルさんは、その旨を伝えるとともに、LINEで釘を刺した。

〈絶対嘘をついて浮気とかはしないでほしい。もし他にいい人が現れたら言ってほしい〉

 山崎も〈分かった〉と応じた。

 交際が始まると、山崎は毎週2、3回ほどコハルさんの自宅を訪れるように。男女関係も持った。コハルさんは山崎のために部屋着や夕食を用意し、ときには弁当を持たせた。山崎はいつも「任務があるから」と、泊まることなくコハルさん宅を後にしたが、多忙な自衛官ゆえだろうと不審には思わなかった。

「交際前から、『(同年4月に発生した)知床の遊覧船沈没事故の対応で、髪を切る暇もない』と嘆くなど、忙しそうにしていた。土日に制服姿で現れることもありました」(コハルさん)

自身の顔がプリントされたうちわを手に

 交際が進むにつれ(あらわ)になったのは、山崎の自己愛の強さだ。ある時には、自身の顔写真がプリントされたうちわを持つ山崎の自撮りが送られてきた。いわく、職場内に山崎のファンクラブがあるのだという。

この続きでは、航空自衛官の男性が送っていた禁断写真、男性側の衝撃的な女性関係、その後の顛末などを詳しく報じている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また連載第3回も配信中》

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