2月25日配信の「週刊文春 電子版」および2月26日発売の「週刊文春」でスタートした新連載「村上世彰とフジテレビ『20年目の復讐劇』」。2006年に『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』『ヒルズ黙示録 最終章』を上梓して以来、村上氏を追い続けてきた記者の大鹿靖明氏が執筆するスクープ連載第1回より、一部を抜粋してお届けする。
村上世彰は2006年6月に逮捕され有罪判決を受けた。
だが彼は、復讐を虎視眈々と狙っていた。
愛娘を表舞台に立たせ、自らは陰で脚本を描く。
「これは僕の人生の問題です。フジテレビと決着をつけなければ――」
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「僕の人生の問題です。民放を正しい方向に導く機会なんです」
村上世彰(66)は2025年5月、フジテレビの一連の不祥事を知って一戦交える覚悟を決めていた。親しい幻冬舎の見城徹社長にこう宣言している。
「これはもはや利害得失や経済合理性の問題ではないんです。僕の人生の問題です。僕の人生の総決算としてフジテレビと対峙し、最終的な決着をつけなければなりません。これは民放を正しい方向に導く機会なんです。僕は並々ならぬ決意でいます」
いま振り返ってみると、これはけだし“名言”である。これから起きることがすべて、このカギカッコ内に凝縮されているからである。すなわち、株主として民放のフジを「正しい方向に導く」という経営改革の意志と、そして「僕の人生の問題」という私怨に基づく復讐とである。
思えば、村上には常に2つの顔が同居していた。非効率で日本的な経営を株主の立場から是正しようという株式市場の改革者の顔と、冷徹なまでに利益を追求する「シャイロック」的な相貌と。彼はさながら、前後に2つの顔を持つ古代ローマのヤヌス神のようであった。
「週刊文春」が一連のフジのスキャンダル報道の第1弾を放った24年12月以降、フジは相次ぐ醜聞によって自壊していった。
それを好機とみた村上は翌25年1月、フジを中核会社とするフジ・メディア・ホールディングス(FMH)に触手を伸ばしている。村上がどうFMHを追い込み、たった1年で少なくとも340億円ものカネを巻き上げたのか、その全手口を解剖する。
《この続きでは「村上世彰とフジテレビ「20年目の復讐劇」【スクープ新連載】」第1回として、村上氏とフジテレビの因縁、村上氏側とフジ側の面談などのやりとりの裏側などを詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および2月26日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

