今年没後30年を迎える司馬遼太郎。「文藝春秋」に連載され、絶筆となった『この国のかたち』をめぐる論考を中心に、その多彩な作品の魅力や歴史観に触れることのできる記事を紹介する。[全6記事]
AI時代に読むべき司馬遼太郎
司馬遼太郎さんの『この国のかたち』は、この国に大きく響いた随筆です。大蔵省を財務省に変えた省庁再編時も時の首相が「この国のかたち」を変えるといい、野党もその首相の不信任案で「21世紀の『この国のかたち』という言葉とは裏腹に」と…

「孫文と日本」――磯田道史が選んだ珠玉の3篇
清朝はいうまでもなくツングース系の異民族による征服王朝である。清史の初期から中期にかけての統治能力は輝くようで――新中国でも台湾でもいまなお清朝は正当に評価されていないが――とくに中国の境域をひろげたという点では史上もっとも充実した…

『戦国の心』――磯田道史が選んだ珠玉の3篇
物事が紛糾した場合、「すべてお家のため」ということで、個をおさえこみ、全体を生かすとする思想が濃厚になるのは江戸時代からで、忠順(まじめで従順)であることが日本における最良の生き方とされた。江戸時代にあっては…

『秀吉』――磯田道史が選んだ珠玉の3篇
応仁ノ乱(一四六七~七七年)は、多分に生物学的現象に似た革命だった。社会の上下がくずれ、やがて下が上にあがり、百十数年の戦乱のあげく、ついには浮浪児のような境涯から身をおこした人物が、関白になり、天下を掌中におさめた。秀吉のことである。…

辻田真佐憲「小説、紀行、評論……今こそ多層的な司馬作品を読み直そう」
司馬遼太郎は、昭和戦後期のサラリーマンを中心に幅広い読者を獲得した。戦国時代や幕末維新期に活躍した主人公などにみずからを重ね、歴史の教訓や日々の指針を求めるひとが大勢いたのだ。その人気を物語るように、全作品の累計部数は… 2026/01/11

中村彰彦「司馬遼太郎 饒舌な史論」
日本史や世界史は、高校で概論中の概論を学ぶだけでも1年ないし2年かかる。だから歴史小説を書く作家も、A誌には古代史ものを、B誌には戦国ものを、C誌には幕末ものを並行連載する、というわけにはなかなかゆかない。作家はとりあえずある時代に…

