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学校に合わない子がいるのは当たり前

――小幡さんは、不登校になってからも、引きこもりにはならず、不登校の子供たちなどを支援する適応指導教室に通ったり、ゲームや囲碁を通して友達を作り、社会との接点を常に持ち続けていました。学校の外では友達ができる小幡さんが、学校では馴染めなかったのはなぜなんでしょうか。

小幡 学校って、コミュニティとして考えると不思議な場所だと思うんです。同じ年に生まれ、同じ地域に住んでいるという理由で約30人が一つの教室に集められる。共通点は「年齢」「住んでいる場所が近い」というだけで、好みも考え方も違う。それはそれで価値があることなのですが、そういう事情で集まっているのだから、合わない子がいて当たり前です。例えば、大人でもその地域の30人で集まって同じ仕事をしてくださいと言われたら無理じゃないですか(笑)。子どもは大人よりも柔軟かもしれませんが、その“ひずみ”が13万人という不登校の子どもたちの数に現われているんじゃないでしょうか。
 
 僕は、実際には「不登校」の子は、13万人よりももっとたくさんいると思っています。現在の定義では年間30日以上休まなければ不登校に該当しないのですが、保健室登校など、学校に行きたくないけれど無理をして行っている子を入れると相当な数にのぼるはずです。

全国の不登校の当事者に、ビデオ通話で自身の体験を語る

定時制高校で認められていた多様性

――小幡さんは、適応指導教室に通った後、定時制高校に進学していますね。

小幡 定時制高校は、多様性がありました。一つ上の学年には25歳の人もいたんですよ。僕のように不登校の子もいれば、やんちゃな子もいるし、年齢もバラバラです。少人数で学べるし、アルバイト先も先生が紹介してくれるんですよ。高校を卒業したら就職をする子が多いので、アルバイトが推奨されるんですよね。多様性、少人数の学び、働くことの重要さを教えてくれた定時制高校は、教育の最先端なんじゃないかと思っています。

 いま、多くの高校ではアルバイトが禁止されていますが、僕には理解できません。試験前1週間はダメとか、赤点を取ったらダメとか、ルールを決めた上でアルバイトをする分には、むしろいい経験ができるのではないかと思います。