「ご遺体を入れ忘れているのではないか」――棺を持ち上げた瞬間、そう疑うほど軽かったという。火葬場で働き始めて間もない頃、担当したのは10代の娘を自死で亡くした両親の火葬だった。激しく損傷した遺体、そして棺の軽さに気づいた父親の表情を、今も忘れられないという。

 火葬場の現場で突きつけられる“正解のない判断”について、『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常』(竹書房)の第5巻より一部を抜粋して紹介する。

最初から読む 「一番むごい」「肉はただれ、むき出しの内臓がグツグツと…」火葬中に“生焼け状態”のご遺体を運び出した“ありえない理由”