コンビニ内の撮影は4日間のみ

——撮影期間が1週間と短いですね。

岩崎 コンビニ内の撮影は4日間です。

——CMを撮られているから効率よくできるのですか。

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岩崎 それもそうだし、準備もめっちゃしました。全カット絵コンテにしたんですよ。エニーマートもレゴで作ったり。 CMのスタッフは1億円で15秒の作品を作っているので、みんな完璧主義なんです。

©『チルド』製作委員会(NOTHING NEW・東北新社)

——これからもCMは撮り続けるのですか。

岩崎 もちろん! 15秒の中で目的があって、どうすれば機能するかを考えるCMは、職業作家として性に合っているので。でも、映画もまた撮りたいです。すでに動いている企画もあります。まだ本当に怖いホラーは撮っていないので、救いようのない破滅的なものをいつかやりたいですね。

『チルド』は完全オリジナル企画。実際にコンビニ経営をする父を見て育った監督が脚本も手がけた。「才能が潰されない世の中」を目指し2022年に旗揚げされた映画レーベル「NOTHING NEW」のプロデュース作品で、監督と旧知である大手映画会社出身の林健太郎が製作を主導した。

——日本の映画業界で改善してほしいことはありますか。

岩崎 NOTHING NEWの発足がそもそも一個の問題意識から生まれてます。日本は新しい才能に意識を向ける環境が整っていないんですよ。ちゃんとマネタイズできる確信があるスタッフや原作もの、アニメや続編など、ヒットが担保されてるものしか大きな市場に出ないので。本当に才能のある奴を信じて座席を用意して、映画を作ってもらえる環境があるとより良いかなと。

(左から)林健太郎プロデューサー、岩崎裕介監督、下條友里プロデューサー

「面白さは担保するので、作らせてくれい!」

——今回は実際にアクションを起こした結果ですね。

岩崎 NOTHING NEWがやってくれているので、僕は精一杯頑張るだけ。監督としては若手だけど、「面白さは担保するので、作らせてくれい!」というところですかね。あと、もっと変な映画を見たいですよね。成立してなくてもいいから、「本当にこれを撮りたかったんだ」というワンカットがあるだけでも、僕はくるものがあるんで。そういう「魂由来の映画」で、作り手がもっと暴れてほしい。アヴァンギャルドなものを日本でも見たい。あるかもしれないけど、大手をふって見てみたいです。

——岩崎監督はベルリンでかなり暴れていたと思いますよ。受賞も期待しています。

岩崎 もし引っかかったら嬉しいです。(数日後、見事受賞のお知らせが!)

映画『チルド』

『チルド』
監督・脚本:岩崎裕介/出演:染谷将太、唐田えりか、西村まさ彦/2026年/日本/88分/配給:NOTHING NEW/7月17日よりロードショー

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