現役のアメリカ陸軍少佐として、日本語でYouTubeに銃の実演動画を投稿しているジェレミーさん(38)。登録者数8万人を誇る彼は、アメリカ史上最長の戦争となったアフガニスタン戦争の帰還兵でもある。23歳で30人規模のライフル小隊の隊長として10か月間の従軍を経験した彼が、戦場で何を見て、何を感じたのかを語った。

ジェレミーさんの祖母と妹と弟

「お母さんがものすごい悲鳴を上げていて」

 ジェレミーさんが赴いたのは、アフガニスタン北東部のクナル州。東に数キロ歩けばパキスタンに入る国境地帯で、タリバンの兵士が潜伏する最前線だった。

 隊長として掲げた目標は「全員を生きて帰らせること」だったが、10か月の間に3人の仲間を失った。なかでも忘れられないのが、アレックス・トンプソンという友人の死だ。アフガニスタン軍との会議中、紛れ込んでいたタリバン兵に撃たれた彼は、幼い息子と娘を残してこの世を去った。

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 一方、ジェレミーさん自身も、消えない後悔を抱えている。タリバン兵が家の中から狙撃してきた際、ヘリコプターのアパッチでミサイルを打ち込むよう指示を下した。しかし、その家には5歳の女の子と母親が住んでいた。

 

「家に入ると、お母さんがものすごい悲鳴を上げていて。その横には、火傷した腕にガラスの破片が突き刺さった女の子が倒れていました」とジェレミーさんは振り返る。命に別状はなかったものの、その場にいた兄はアメリカ兵を憎む目でジェレミーさんを見つめていたという。

 帰国後、世界情勢を改めて見渡したジェレミーさんは、戦争の意味を問い直すようになった。アメリカ軍が撤退したアフガニスタンは、わずか3か月でタリバンに制圧された。「もしかしたら僕たちは政治家の人気集めや金稼ぎのために使われたのかなって……。今もずっと考えています」と、彼は静かに語る。

 ジェレミーさんは帰国後、趣味を楽しめなくなり、酒が増えた時期もあったと明かす。「戦争に行くと、その前の人間には戻れない」——先輩から言われたその言葉の意味を、彼は身をもって知ることになった。

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