股関節には、上半身の重みが常にかかっている。歩行時には体重の約3倍の負荷が、走行時やジャンプをしたときは体重の5倍から10倍の負荷がかかる

「変形性股関節症は、加齢や負荷のかけ過ぎによるもの(一次性)と、先天的な異常や病気によって引き起こされるもの(二次性)に大別されます。肥満や激しいスポーツなど、過剰な負荷が原因となる一次性変形性股関節症は欧米人の原因の多くを占めます。一方、日本では、先天的な構造異常が原因で股関節に過剰な負荷がかかる二次性変形性股関節症が圧倒的に多い」

40〜60代での発症が際立って多い

 先天的な異常の代表格が「寛骨臼形成不全」だ。

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「正常な股関節では、大腿骨頭の約5分の4が寛骨臼に包みこまれていますが、形成不全の方は寛骨臼のお椀の凹みが生まれつき浅く、股関節が安定しづらいため、負荷がかかりやすいのです。日本人の変形性股関節症の約9割は、股関節の先天的な形成不全が原因です」

 国内の変形性股関節症の患者数は、レントゲンでの診断ベースで500万人程度といわれるが、潜在的な患者も含めれば該当者は更に多いとみられる。三浦医師の実感では女性は男性の5倍以上で患者の8〜9割にも上るという。なかでも40〜60代での発症が際立って多いという。

「そもそも女性は男性に比べて筋肉量が少なく、骨盤が広く出産に適した形状をしているため、股関節に負担がかかりやすい。こうした女性特有の骨格要因に加え、とりわけ更年期前後の女性はエストロゲンの低下に伴い筋肉量が減り、骨が脆くなり、代謝が悪化して体重増加が起こりやすいのです」

3段階の進行状況

 変形性股関節症は、「初期」「進行期」「末期」の3段階で進行していく。

「初期段階は、動き始めや椅子から立ち上がる時、長く歩いた時などに股関節に痛みや違和感を感じます。症状はしばらくすると治まりますが、繰り返す痛みを放置していると、次第に『階段の上り下りが難しい』『靴下を履くのが難しい』といった症状が出てきます。さらに末期になると、『起きていても寝ていても痛い』『左右の足の長さが異なる』『お尻を左右に揺らして足を引きずるように歩く』など、症状は常態化し、日常の動作に異変が起きてきます」

 三浦医師によれば、初期の段階で対策を始めれば、軟骨の損傷スピードを遅らせ、痛みを緩和することができるという。

《この続きでは、●患者の8割以上が女性、更年期前後に多発、●人工股関節耐久年数が10年延長、費用十数万円…などのトピックを詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および4月2日(木)発売の「週刊文春」で読むことできる》

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