「カツラでもいいじゃない?」と言われても⋯

たた そうですね。僕は、髪の毛が抜けるのが本気で嫌なんです。僕が抗がん剤治療をする場合、今は転移していないので、今後の転移の可能性をなくすための抗がん剤治療なんです。すごく考えたんですが、僕の場合は予防的な抗がん剤治療はしない選択をしました。

 ただ、その投稿を上げたら「髪の毛のほうが大事なんですか?」とコメントがたくさん来て⋯…。人によって大事なものは違いますよね。僕にとっては、外見はものすごく大事なこと。「カツラでもいいじゃない?」とかコメントもあったけど、僕にとってはそういうことじゃない。

──どんな治療を選ぶかは本人次第です。

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たた そうですよね。あとは「元気そうにしている姿を見せて、嫌な気分になる」「そんなに症状が重くないなら、がんって言わないでほしい」「うちの父ががんです。謝ってください」とか⋯⋯。

 まとめサイトも作られていて、タイトルに「たたの病状は? 余命宣告は受けてる?」みたいに書いてあって。余命、って⋯⋯。闘病中の僕からしたら、衝撃的でした。

──術後で体調も不安定でしょうし、気分の浮き沈みもあったのでは?

たた 今思うと相当気持ちの浮き沈みがあったと思うんですけど、当時は「自分は大丈夫」と思いこんでいましたね。それこそ仕事も配信もしなきゃいけなかったから、自分を保てたんだと思います。体調も良くなかったし、疲れやすかったりもして。自分ではあんまり感じていなかったんですけど、投稿もポジティブじゃない内容が多かったですね。

 ただ、動画で関わっているスタッフの人からは、打ち合わせで「ファンが離れるから、もっとポジティブな投稿にしてほしい」と言われるんですよ。それにもすごく葛藤がありました。「今、そんなにポジティブではいられないんだけど⋯⋯」って。退院直後でまだ傷が痛む時期でも「エクササイズ動画をやれ」と言われたんですよ。

次の記事に続く 「このまま死んで何が残るんだろう」抗うつ剤を飲みながら配信を続けたことも⋯36歳インフルエンサーが『数字の奴隷』から抜け出せたワケ