「いま、二つの要職が空席となっています。これは異常事態です」
緊迫感を漂わせて取材にそう明かすのは、皇宮警察の関係者である。
◆◆◆
二つのポストに「欠」の文字
天皇皇后両陛下や皇族の身辺警護、皇族が過ごされる関連施設の警備を主な任務とするのが皇宮警察だ。一般の警察とは異なる、特殊な組織だという。
「組織のトップが皇宮警察本部長で、階級は皇宮警視監。ナンバー2の副本部長は皇宮警視長という階級で、いずれも警察庁キャリア組のポストです。一方、実際の現場では高卒や大卒で皇宮警察学校を経て任官したいわゆるノンキャリア組が警備の中心になる。ノンキャリの最高ポストは護衛部長です」(社会部記者)
その皇宮警察で年度替わりの人事が発令されたのが、3月31日のことだ。
「通常の人事異動をする幹部や、昇任試験によって昇進した職員、退職者など50名以上の幹部人事が発表されました」(同前)
ところが、二つのポストに「欠」とあったという。冒頭の関係者が語る。
「吹上護衛署と京都護衛署の警備課長が『欠員』となっています。つまり、空席なのです」
一般の警察以上に重要なポストだが…
護衛署とは、一般の警察でいうところの警察署に近い存在だ。皇宮警察には四つの護衛署が存在する。
「皇居内には、坂下護衛署と吹上護衛署の二つ。そして赤坂御用地には赤坂護衛署があります。もう一つが、京都御所を警備する京都護衛署です」(同前)
空席となった吹上と京都の警備課長は、一般の警察以上に、非常に重要なポストだという。
「護衛署の警備は通常四交代制で、皇族を守る護衛官は4日に1回泊まり勤務を担当します。一班から四班に分かれ、その班長を警部クラスが務める。さらに4人いる班長を取りまとめ、指示を出すのが警備課長です。警備はまさに皇宮警察の主務であり、各署の責任者である警備課長は実務を取り仕切る中心的存在なのです」(同前)
しかも――。
「実は欠員となったのは今年だけではなく、昨年から2年連続なのです。異例の状況です」(同前)

