まず“イラン派遣宣言”だ。3月5日、小泉氏はXに〈邦人輸送のための自衛隊機の派遣準備に着手しました〉と投稿した。しかし邦人退避のための自衛隊機の派遣は、外相からの依頼で行うと自衛隊法84条の4で定められている。この発言で小泉氏は木原稔官房長官と茂木敏充外相から懸念を示されたという。ここでも防衛大臣自身が自衛隊法の運用をどこまで理解していたのかという疑問が浮かんでくるではないか。そしてSNSのフライング投稿問題も絡んでいる。
「見え方を気にしすぎでは」と身内から疑問の声も
まだある。小泉防衛相は3月28日、日米合同慰霊式に出席するため硫黄島を訪れたが、ここでも象徴的な出来事が起きた。予定になかった元米兵の摺鉢山訪問を急きょ指示し、秘書官に「写真を撮って」と頼んで記念撮影も行ったため、その後の行程が5分刻みになるなど現場が慌ただしくなったとされる。移動ルートの変更も重なり、「見え方を気にしすぎでは」と身内から疑問の声も出ているという。
とにかく目立ちたいという意気込みを感じる小泉防衛大臣のSNS投稿。今回の自衛隊員との記念撮影投稿もまったく同じ流れではないか。そこに、防衛大臣自身が自衛隊法の位置づけをどこまで理解していたのかという疑問まで重なってくる。「これをしたら論議になりそうだ」という危機管理までも含めて。
自民党ベテラン議員の言葉が印象的だった。
「大臣がわからなくとも、秘書官室や内局が止めるだろう。自民党も防衛省も極端にレベルが下がったとしか言いようがない。(略)戦前にもなかった政・軍一致だよ」(日刊スポーツ「政界地獄耳」)
「大臣がわからなくとも」という前提そのものがすでに哀しいが、それでも「戦前にもなかった政・軍一致」という言葉の重さは、今回の出来事の異様さをよく表している。
騒動が長引きそうになると木原官房長官は、自衛隊法で制限される「政治的行為」にあたらないとの認識を示した上で、「法律に違反することと、政治的に誤解を招くようなことがないかは別問題だ。その点はしっかりと反省すべきだと考えている」と述べた(15日の衆院内閣委員会)。