「万引き常習犯」フェイク投稿―隠し撮りされた4歳の妹
その日、埼玉県川口市に住む中学校3年生のセレン(15)は学校から帰り、自宅のアパートで、スマートフォンを開きX(旧ツイッター)をみていた。
2024年9月24日のことだ。小さな女の子が100円ショップのような場所を行き来している短い動画の画像が目に入った。あれ? 何となく4歳になる自分の妹、アスミンちゃんに似ているなあ、そう思って、画像をタップし、動画を注意して見てみた。間違いなく自分の妹だ、と確信した。
後ろ姿で顔は映っていないものの、髪形は妹と同じ。ピンクのTシャツに、模様入りのスパッツ。いつも妹が着ている服だ。
そして動画にはこんな説明がついていた。
〈○○のダイソーではクルド人の子供が平気で万引きしてるのをよく見かけます。店員に声かけられてもニホンゴワカラナイと言えば済むので今後どんどんエスカレートしていく事でしょう。万引きの瞬間は顔が映ってしまっているので割愛します。〉
セレンは頭に血が上った。
「お母さん、大変だよ。こんな動画が出てるよ!」
母のフォトマに聞くと、状況はすぐに判明した。前日の9月23日、母とアスミンがスーパーマーケットの中にあるダイソーに買い物に行っていた。母の妹も一緒だった。アスミンは母から少しだけ離れ、文房具コーナーにいた。その時、母がちょっと目を離した隙に、隠し撮りされていたことが分かった。「もちろんアスミンは商品なんか盗んでいないよ」。母は言った。
アスミンは単に商品をみていただけだった。動画に添えられた文章はまるで子どもが万引き常習者のような書きぶりだが、動画でも少女はただ陳列棚のそばを行ったり来たりしているだけだった。