文春オンライン

安倍「薩長イズム」vs.石破「正直、公正」 珍発言で追う総裁選のゆくえ

なぜ安倍首相は「公開討論」を避けるのか

2018/09/01
note

石破茂 自民党・元幹事長
「議論する場をできるだけ多くつくることが、国家・国民に対し果たすべき責任であり、首相の意向、私の考え方に沿う」

時事ドットコムニュース 8月26日

安倍晋三 首相
「政権与党にふさわしい、この国のあるべき姿について骨太の議論を行いたい」

産経ニュース 8月28日

 石破氏は安倍首相との公開討論を要望している。11日に出演したTV番組では「国民に安倍さんと私が何が違うかを理解してもらいたい。アメリカの大統領選のようなディベートをやりたい。憲法、外交、財政、社会保障などテーマを区切ってやりたい」と語っていた(ハフポスト日本版 8月12日)。

ADVERTISEMENT

©JMPA

安倍首相「石破さんはそれしかアピールする道がない」

 総裁選に向けて活発に動いてきた安倍首相だが、出馬表明がここまで遅れたのは、政権の政治手法を争点に掲げる石破氏との論戦を避ける狙いがあったと見られている(朝日新聞デジタル 8月26日)。しかし、安倍首相は28日の自民党役員会で「骨太の議論を行いたい」と発言。両者異存なしということで、安倍首相と石破氏の激しいディベートを待ちたい。

 なお、現時点で発表されている討論会は、9月8日の日本記者クラブ、9日の党青年局・女性局と「ニコニコ動画」主催の3回。これは前回総裁選の2012年の回数を踏襲している。石破氏側は政策テーマごとに2~3時間の開催を要求しているが、安倍首相側は「石破さんはそれしかアピールする道がない。わざわざ相手の土俵に乗る必要はない」と突き放した(朝日新聞デジタル 8月29日)。