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仲間に刺激を受けて……ソフトバンク・二保旭が復活する日

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/07
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「こんなに悔しいの初めて」

 でも、そのまま落ち込み続ける人ではありません。その後、本来の姿を取り戻してきた二保投手は、8月28日のウエスタン・オリックス戦では2回無失点でセーブ投手に。31日の同・中日戦では2回無失点で勝利投手になりました!

 逆転優勝へと加速中のホークス。その貴重なブルペン陣に再び加わるのも間近なはずと期待します。だけど二保投手はきっぱりとこう言い切りました。

「1軍に上がりたい、上がりたいとは変に考えないようにしてる。焦っても意味ないし、気持ちが持たなくなるから。呼ばれたら呼ばれたところで頑張る。もちろん、まだ諦めてないよ。ホークスの優勝の為に力になりたい」

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 昨年、リーグ優勝と日本一を成し遂げたチームを、二保投手は2軍で見ていました。長いリハビリからようやく2軍公式戦に復帰したのが昨季6月1日。肘に不安もある中、必死にチームの戦力に加われるようにと多少の無理をしながらも上を目指しました。しかし、1軍に呼ばれることはありませんでした。

「正直、見ているのが辛かった。自分のチームなのに」

 今年は1軍で投げました。しかも、中継ぎ陣に負担のかかる試合も多かった今季、チームと共に戦ってきました。それでも、「1軍には居られたけど活躍はしてないし、逆に迷惑かけたと思ってる。このままでは、やっぱり喜べない」。チームのためにという想い、このまま終わるわけにはいかないという想いで、今は再昇格に向けて“仲間”に刺激を受けて前を向きます。

「俺は1軍に勝ち残れなかった。戦いに負けた。こんなに悔しいの初めてだよ。マッキーを見てて思う。あいつは自分で勝ち取ったんだ」

 チームの起爆剤的役割を果たしている、同じ育成出身の牧原大成選手を見て奮い立たされるといいます。牧原選手も今季7月までは長い2軍暮らしで悔しい想いをしてきました。それでも、唯一やってきた1軍のチャンスをモノにして、昇格してから41試合で172打数60安打の打率.349(9/4現在)、プロ初の1試合4安打含む20度のマルチ安打を放つなど、今やレギュラーを掴んだと言っていい活躍を魅せています。

 二保投手もきっとまた1軍に上がって、疲れがたまってくるブルペン陣を支えてくれるはずです。いや、支えて下さい! 二保投手にとっても、チームにとっても、心の底から喜べる最高のシーズンの結末になりますように。負けられない戦いはまだまだ続きます。がんばれホークス! がんばれ二保投手!

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