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マリンスタジアム唯一の男性売り子・田中くん「憧れの福浦さんを追いかけて」

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/16

売り子初日は上々のデビュー

 8月25日の売り子初日の売り上げは185杯。8月26日2日目は155杯 、9月1日の3日目は127杯。上々のデビューだった。なによりも女性客に受けた。購入者の8割が女性。マリ女たちは田中くんの姿を見逃さなかった。特にマリーンズのマダムたちを虜にした。

「ずっと野球をやってきて体力に自信があるので球場全体で活動するなど運動量で勝負をしています。大きな声を出してお客様から買ってもらえるようにしています。女性の方に買ってもらえるのは嬉しいです」

 あくまで売り子が足りないときだけスタンドに出動し基本的には基地と呼ばれるバックヤードでビール樽が空になった売り子にビールを補給する仕事に徹している。それだけに彼をスタンドに見つけることが出来ればラッキーだ。そんな中、偉大なる大先輩の大記録達成の瞬間が刻一刻と迫っている。

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「ずっと追いかけてきた偉大な先輩の偉業にスタンドとグランドでは違いますが同じZOZOマリンスタジアムで立ち会える可能性があるのは楽しみです。今はここまでトータル600杯を超えるぐらいの売り上げなので、自分もなんとか今シーズンは2000杯売りたいと思っています」

 田中さんはまもなく専門学校を卒業し、来年からは自動車関係の企業に就職をすることが決まっている。ZOZOマリンスタジアムで働く最後の年。ずっと憧れ、その姿に自身の夢と希望を重ねてきた先輩は満身創痍ながら偉業達成を目前としている。同じ場所、空間に立ち会えるだけでいいと思う。その時にスタンドで大きな声を出して一生懸命、チューハイを売っていたいと願っている。

偉業達成を目前としている偉大なる先輩のパネルと共に ©梶原紀章

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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