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2018/09/07

ふらふらし始めた石破茂の「正直、公正」

 それにしても石破氏の態度も気になる。最近になって「正直、公正」について「自分がそうありたいと思っているだけだ」と言い出した。なんかふらふらし始めた。

 ではここで石破氏の最新刊『政策至上主義』(新潮新書)をみてみよう。

 注目すべきは第一章に「誠実さ、謙虚さ、正直さを忘れてはならない」とあることだ。

©文藝春秋

 これを読むと、自民党が野党に転落して以降「謙虚な立て直し」を心掛け、出番に備えるという心構えについて書いている。確かに以前からこれらのフレーズを言っていたことになる。 

 しかしよくみると気づく。「誠実さ、謙虚さ、正直さを忘れてはならない」と著書では言っているが、今回出馬会見で言ったフレーズは「正直で公正、そして、謙虚で丁寧な政治を作りたい」だった。

 みなさんわかりますか。ひとつだけ加えられた言葉がある。それは、

「公正」。

 総裁選のキャッチフレーズには「誠実さ、謙虚さ、正直さ」だけでなく「公正」が加わったのである。

「公正」「公平」とはモリカケ問題を指している

 つまり、新たに登場した「公正」こそ、安倍首相を念頭に置いたフレーズなのだろう。

 さらにもう一度石破氏の『政策至上主義』をよく読んでみると、実は別の章で興味深いことが書かれていた。

©AFLO

 それは第三章「丁寧に説明すれば国民は理解してくれる」だ。

 政府の姿勢は誠実なのかというくだりで「森友」「加計」の文字が出てくる。そして、

「森友学園問題とは、突き詰めれば、行政は公平だったのか、ということでしょう。」(77ページ)

 ズバリ、ではないか。

 ここでは「公平」という表現だが「公正」とイコールだ。

 石破茂にとって「公正」「公平」とはモリカケ問題を指すことが(やはり)わかるのである。