今さら相手のビーンボールにビビッてどうするのだ
石破氏のキャッチフレーズは「自分がそうありたいと思っている」部分も当然あるだろう。しかしわざわざ追加した「公正」は安倍首相の政治姿勢について訴えているとしか思えない。
そもそもこの本(「政策至上主義」)は総裁選出馬に向けて気合を入れて世の中に出した本だ。そこで堂々と書いているのである。
それを首相への個人攻撃だの批判だのと言われたとたん、ふらふら。石破氏は反発を受ける覚悟はなかったのだろうか? だとしたら臆病すぎる。
「金足農が一生懸命頑張った。あのひたむきさ、一生懸命頑張ってるよね、それが人の心を動かす」と石破氏は言うが、石破氏にとっての「ひたむきさ」とは何か? よく考えたほうがいい。今さら相手のビーンボールにビビッてどうするのだ。
『西郷どん』と首相のコラボ
さて、公平や公正と言えば、自民党が総裁選について新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配った。
私はこのニュースを知ったとき、自民党もやっぱりフェアな政党なんだと感心した。今回、自民党はNHKに対して公平・公正を訴えかけたのだろう。
というのも安倍首相が鹿児島で出馬表明をおこなった日、NHKはたっぷりと生放送&解説付きで中継した。その夜の大河ドラマ『西郷どん』の番宣にも思えたが、偶然はそれだけでなく、その日のドラマタイトルは「薩長同盟」。
毎日新聞社説(8月30日)は「公平・公正な報道」を求める文書について、
《安倍政治に批判的な石破氏は既に連日のように記者会見を続け、それが報じられている。こうした報道が不平等だと言うのか。だとすれば石破氏の言動やメディア露出を封じるのが狙いなのだろうか。》
と書いた。
あの文書は石破封じ目的だと毎日新聞は言うのだが、いくらなんでもまさかと思いたい。あれはどう考えても『西郷どん』と首相のコラボについて注意をする文書だったんでしょ? え、
こうなったらNHKは公平に穴埋めするしかない。
首相が大河ドラマなら、石破氏は朝ドラ『半分、青い。』とのコラボしかない。永田町でツッコミが嫌われ、半分青く見られているだろう石破氏にピッタリの気がする。