ぐんぴぃが「クソが!!」と思う時

――ところで本書のサブタイトルは「『クソが!!』と思った時に読む本」ですが、ぐんぴぃさんにも「クソが!!」と思う時はありますか?

ぐんぴぃさん ©佐藤亘/文藝春秋

ぐんぴぃ ははははは! めちゃくちゃありますよ。うーん、多分2パターンあって……

――「2パターンあって」って、坂井さんみたいな言い回しですね。

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ぐんぴぃ やべぇ! うつったのか(笑)。

 例えば、「バキ童だかなんだか知らねえけどよ、YouTuberだろう」みたいに軽んじられた時に「やり返してやるよ、クソが!!」と思うことはあるかもしれないですね。あとは、番組の収録で錚々たるメンツがたくさんいて何もできなかった時に、「自分は何を怯えてるんだよ」って自分に対して「クソが!!」と思うこともありますね。

――そういう時はどうやってメンタルを立て直すんですか?

ぐんぴぃ 「でもやるんだろ?」と自分で火をつけますね。「どうせ積み上げたものなんてないんだから、何やってもいいんだ」「今しかないんだから」って考えます。この間、(明石家)さんまさんの番組に出た時に全然喋れなかったんですけど、「いや、関係ない。別に失うものはないんだから」って思いましたね。「やりたくてここに来たんだろう?」っていう衝動を思い出して、「じゃあ飛べよ!」って自分に言い聞かせます。

ぐんぴぃさん ©佐藤亘/文藝春秋

――著書の中でも「積み減らす」という言葉を使われていましたね。

ぐんぴぃ 岡本太郎の言葉ですよね。「積み減らしていけばどこまでも飛べるよ」っていうスタンス。やってきたことを財産みたいに積み重ねると動きにくくなりますよね。テレビに出た時に、「YouTubeの視聴者は今の姿をどう思うかな?」とか気にしちゃうこともあるんです。でも「今の俺だけでいいよな」「積み上げたものは一切忘れて、その場で考えよう」って思うようにしています。

「バキ童」をオワコンにしようと

――また、「中年の危機」「燃え尽き症候群」についてのお話も興味深かったです。ぐんぴぃさんは「燃え尽き」を感じたことはありますか?

ぐんぴぃ 「燃え尽き」については振り返りましたね。実は僕、今年の初め頃に「自分でバキ童チャンネルを終わらせよう、オワコンにしよう」と思っていたんですよ(筆者注:ぐんぴぃは2025年年末に突然「バキ童、彼女できました&卒業しました」という動画を投稿し、視聴者に大きな衝撃を与えた)。

 このチャンネルは「彼女ができるまでのぐんぴぃを見せる」という要素もあったと思うので、彼女ができたタイミングでちゃんと一区切りつけようと。一時的に登録者もガッと減って、再生数も鈍くなった時に、「あ、こうやってゆるやかに終わってくんだ」と思って、やり切った感と「もういいかな」って気持ちが生まれました。

ぐんぴぃさん ©佐藤亘/文藝春秋

――まさか「自分でオワコンにしよう」とお考えだったとは思いもよりませんでした。

ぐんぴぃ 僕が60歳くらいまで童貞で、「今日はお茶飲んでみた」みたいな誰も見てない動画を投稿しているよりは、自分で終わらせた方がいいなと思ったんです。でも結局、再生数は下がらなくて、登録者数もまた増えてきて、「まだやれるな」と。「バキ童」として楽しむコンテンツが終わったという意味ではオワコンなんですけど、「まだ全然できるんだった」って思いました。そのくらいのタイミングで坂井さんも来ましたしね(笑)。

――まさに『理不尽仕事論』にも書かれている、「人生のチャプター2」が始まったわけですね。“予言の書”みたいになっている。

ぐんぴぃ ははははは! そうです、この本は予言の書なんだ。三宅香帆さんが「私の悩み、全部ここに書いてあるじゃん!」という素晴らしい帯コメントを書いてくださいましたが、僕が悩んでることも全部書いてある。おこがましいかもしれないですけど、『論語』くらい普遍的なものが詰まってるすごい本なんだよな。大したもんだ。

――最後に、今仕事で壁にぶつかっている人に向けて言葉をかけるとしたら?

ぐんぴぃ まずは「この本読めよ」なんですけど。でも、「楽しくなるように働いてみれば?」とは言いたいですね。辛い時に「どうしたらいいんだろう?」って考えていること自体が、実は面白がれることだよって。僕自身、悩んだことも全部笑い話としてラジオで話して、それで食ってるんで、全部財産になっているんです。これは芸人に限らず、ビジネスパーソンの方もみんなそうだと思います。悩んだ経験も、数年後には話せるネタになるんですから。

理不尽仕事論 「クソが!!」と思った時に読む本

坂井 風太,ぐんぴぃ

文藝春秋

2026年4月10日 発売

次の記事に続く 「エッチな本をどうしても置きたい!」会社員時代のバキ童・ぐんぴぃ(36)を“日本1位”に輝かせた“ありえない経営戦略”《社内では「大暴挙だ!」と反発も…》