「動物好きでこれまでも『世界珍獣図鑑』などを編集してきましたが、どうしても内容がマニア向けになってしまう。そんなおりに、『小4男子向けにいかがですか』と、ある編集者から提案されたんです」
そう語る図鑑制作者の丸山貴史さんが、動物学者の今泉忠明さんを監修に据えて執筆したのが『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)。いまやシリーズ累計270万部となった。そしてこの夏、丸山さんが同じ編集者と組み、新たに「小4男子向け」に執筆したのが『わけあって絶滅しました。』だ。生命誕生以来、数多くの種が絶滅してきたが、本書が紹介するその理由は〈花が咲いて絶滅(ステゴサウルス)〉〈デコりすぎて絶滅(オパビニア)〉と意表をつく。
「あまり聞き慣れない絶滅理由もあると思いますが、最新のデータを基に、定説ではなくとも、なるべく意外性のある説を採用しています。たとえばニホンオオカミの絶滅理由は近年、明治以降に入ってきたジステンパーのような感染症によるものでは、と言われています。ネアンデルタール人の絶滅理由〈想像力の乏しさ〉はここ数年で唱えられ始めた仮説です。本書をきっかけに自分なりに調べて、想像をふくらませてもらえたらうれしいですね」