「週刊文春」が報じた、高市早苗首相陣営によるライバルや野党への中傷動画の作成・拡散問題をめぐり、6月4日の衆議院予算委員会で驚きの答弁が飛び出した。

注目を集めた高市首相の答弁 ©時事通信社

異例答弁までの経緯

 もともと高市首相は5月11日の国会答弁で“中傷動画”の作成者で起業家の松井健氏を「私自身も秘書も面識のない方」と説明していた。6月3日、「週刊文春 電子版」で高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏と松井氏が参加したZoom会議の音声が公開された。

 翌日午前、中道の伊佐進一衆院議員が「その音声が木下秘書本人かどうか確認してほしい」と事前に通告した上で質問した。これに対し高市首相は、台風対応や答弁準備でほぼ徹夜だったとした上で、「週刊文春 電子版」が有料会員制であることを理由に音声を確認しなかったと答弁した。

ADVERTISEMENT

「そこ(週刊文春)の有料オンライン会員になろうと思いませんでした。そしてまた、その方法もありませんでしたので、確認できませんでした」

 なお、「週刊文春 電子版」は初月300円(通常月額2,200円)で、登録方法はクレジットカードで簡単に登録できるサブスクリプションサービスとなっている。

ヤフコメの声

「週刊文春」が報じた音声とこの答弁を取り上げた記事に対し、Yahoo!ニュースのコメント欄には多くの意見や指摘が寄せられた。

 コメントの中では「会員とかの問題ではなく、音声を確認したかどうかが問われている。本質からずれている」という指摘が目立った。

 また、「質問通告をしてもこんな答弁。有料会員になって確認すればいいだけでは」との声や、「夜中まで仕事をしていたという強調も、有料記事だから読まないという説明も、報道が事実でないと否定できる共通した理由にはなっていない」とする冷静な分析も。同日午後の質疑も踏まえて、以下のような冷笑的なコメントが散見された。

「国会中継をみて初めて爆笑してしまった。これが最高機関のやり取りかと思うと残念。昼休みに音声が秘書本人かどうか確認してほしいと依頼し、昼休みが明けると、有料動画は著作権の問題で他人が見るのは規約違反だからやらなかったと。こんな言い訳が通るなら国会はなんなのかと思う」

 統治のあり方を問う視点からは、「国会が許諾まで取り、首相が音声を確認できる環境を整えたのに、それでも規約を理由に聴かないのは、行政トップとしての危機管理手続きが機能していない証拠」との意見も寄せられた。

「危機管理」については、今回の答弁から総理大臣として情報を収集する体制そのものへの疑問も呈されている。「内閣官房報償費(注:いわゆる官房機密費)などの費用が与えられているのに、それを活用することすら拒否した」という指摘は、政権の危機管理能力への問いかけでもある。

「週刊文春」が報じた内容はどのようなものだったのか。高市首相秘書と動画作成者の蜜月ぶりを示すZoom会議の中身、前後に行われたLINE等のやり取りを記した実際の記事は、現在配信中の「週刊文春 電子版」および6月4日(木)発売「週刊文春」に掲載している。また「週刊文春 電子版」では実際のZoom会議の音声を公開している。

次の記事に続く 「政府としてはコメントは控える」高市陣営「誹謗中傷動画」作成問題に木原稔官房長官は“ノーコメント”回答《週刊文春は「Zoom会議音声」を入手》