高校生を演じるのはこれが最後?
──今回はこれまでの役作りと違う部分も多かったのでは。
山田 私が演じた愛は、学校では引っ込み思案で、家庭では問題を抱えています。いつもなら、愛というキャラクターを徹底的に理解し、わからないことがゼロに近づくまで減らしていく役作りをするのですが、今回は「わからない」ところが多すぎて減らせませんでした(笑)。監督からは感じるままに自由に演じていいと言っていただいたので、わからないままでいいところと、理解すべきところのバランスをとりながら、この作品で恐怖を伝えるためにベストな方法を探っていきました。
年齢的に高校生を演じるのは最後になりそうなので、そういう意味では区切りの作品にもなったかな、と思います。
──下津監督も、かなり厳しい校則で管理された高校生活を送ってきたそうで、「今思うとあれは一種の洗脳だったのでは」と語っています。
山田 私は小中学生の頃、すごく真面目だったんです。規則を守らない人がいると「なんでちゃんとやらないんだろう」と思うくらいで。今は校則もいろいろと見直されていますよね。学校生活は社会に出る前に「ルールを守る」ことを学ぶ場でもありますが、ルールを守るためだけの校則はどうなのだろう、と思います。
本作では集団と個別のどちらがいいという話ではなく、何も考えずに集団に加わることの怖さが描かれています。正直、撮影が終わった今も「ポー」の意味はわからないままですが、それでいいと思っています(笑)。
渡邊薫=スタイリング
サイオチアキ=ヘアメイク
やまだ・あんな 2001年、埼玉県生まれ。『ミスミソウ』(17年)で映画初主演。『⼭⼥』(22年)で第15回TAMA映画賞最優秀新進女優賞、『ゴールデンカムイ』『正体』(24年)で第48回日本アカデミー賞・新人俳優賞/優秀助演⼥優賞など多数の賞を受賞。近年の出演作に『ゴールデンカムイ 網⾛監獄襲撃編』(26年)など。
INTRODUCTION
第1回日本ホラー映画大賞で大賞を受賞し、『みなに幸あれ』(23年)で商業映画デビューを果たした下津優太監督のオリジナル映画2作目。組体操という「集団行動」における人間の行動心理の根底を、コミカルにそしてシリアスに描きだした。人間ピラミッドの撮影は、CGを使わず生身の肉体での迫力を望んだ下津監督の意向で、9段の高さまで日本体育大学の学生たちが実際に組んで完成させた。圧倒的な存在感を放つピエール瀧が、重要な役どころとなる校長を演じているのも見どころ。
STORY
引っ込み思案で、家庭にも居場所がない高校生・愛(山田杏奈)のクラスに、優(青木柚)が転校してくる。しかし海外帰りの優は、協調性を重んじる日本の集団行動になじめない。そんなある日、校庭で1人の生徒が四つん這いになり動かなくなった。次第に他の生徒も加わり始め、人間ピラミッドを形成していく。日を追うごとに生徒たちの人間ピラミッドは大きくなり、愛も朦朧となってピラミッドに加わりそうになる。しかしこれは、その後地域全体を巻き込む集団怪現象の序章に過ぎなかった──。
STAFF & CAST
原案・監督:下津優太/脚本:下津優太、佐原百子/出演:山田杏奈、青木柚、ピエール瀧/2025年/日本/82分/配給:KADOKAWA/©2026映画「NEW GROUP」製作委員会
